今季限りでの現役引退を18日に表明した広島黒田博樹投手(41)が、集大成の大舞台に向け、再び集中力を高め始めた。19日、日本シリーズ登板へ向けて全体練習に参加。「いつもよりもゴールが見えている。気持ちの部分では集中できている」と話した。

 引退発表を受け、元チームメートのヤンキース田中やドジャース前田らからメールが届いた。会見前に伝えていたイチローからは「お疲れさま。あとは投げても1回か2回か。応援しておくよ」との返信があったという。日米通算200勝達成時に「日米合算なんて俺は認めない! おめでとう」というメッセージをくれるような、いつもユーモアを交える先輩からの真っすぐな慰労の言葉に「僕としてはまだできるだろ、と言われるのが怖かったのでホッとしています」と思わず笑った。

 だが、黒田は感傷にひたることなどない。この日は練習開始より3時間以上前に球場入り。マッサージなどを受け、ショートダッシュ、キャッチボール、遠投などの通常メニューをこなした。先輩や仲間からのメッセージも力に変え、日本シリーズに向かう。