広島出身の日本ハム中田翔内野手(27)が、自身初の日本一を地元で決める。28日、故郷へ向かう前の新千歳空港。心穏やかに、札幌ドームでの死闘を振り返った。「札幌ドームに帰ったら何かしら雰囲気が変わると思っていたけど、まさかの3連勝。本当にみんな良かった」。2連敗スタートも、本拠地で形勢逆転。自身も第3戦は8回に一時勝ち越しの適時二塁打、第4戦は6回に同点ソロと、効果的な仕事を果たした。

 ここまで5戦でチームトップタイの4打点。CSに続き、日本シリーズもMVP候補だが「オレは、もういいよ。CSで(MVPを)もらったから」と、欲するのは日本一の称号だけだ。王手をかけて臨む街で、中学卒業まで過ごした。「個人的な感情になっちゃうけど、家族も見ている前、ましてや地元。日本一になれたら、うれしい」。お膳立ては整った。

 今日29日の相手先発は野村。攻略法もイメージできている。第2戦で、自身は1安打1四球、チームは6回まで2安打1点に封じられた。「野村の術中にはまった。細かい制球で勝負してくる投手には、しっかりボールを見極めないと。振り回しても打てない」。力を認める、同学年で今季最多勝右腕を打ち、悲願を達成する。【木下大輔】