ロッテの井上晴哉内野手(27)が、豪快な一発で鴨川のファンを沸かせた。紅白戦に白組の4番一塁手で先発。1回1死一塁の場面で、高めの球をとらえて左翼スタンドに運んだ。

 打球が上がりすぎたようにも見えただけに、スタンドにボールがはねると、歓声と同時に「あれで届くんか」とあきれたような声も上がった。井上は「高めの球にうまく対応できた」。よい感触を固めるためにと、紅白戦後も球場が真っ暗になるまで打撃練習を続けた。

 その際、スイングスピードも計測した。「1日の最後なんで、あまり力が入らなかった」と言いつつ、毎時148キロを記録した。

 同じ右の和製大砲タイプの西武山川穂高内野手が、宮崎・南郷での秋季キャンプで同147キロ(日刊スポーツ計測)だったと聞くと「彼に勝てるのはいいですよね」と満足げ。「彼は今季14本ですよね。ヒットの4割がホームランというのはやっぱりすごいですよ」と数字もスラスラと列挙し、強く意識していることを印象づけた。

 来季こそ負けない。そのために、この日のホームランは意味があるという。「あの高さの球をさばけた今日の一発は、今までの自分の中にはなかったイメージ。秋の紅白戦ですけど、ああやって打てたことは個人的には大きい」。抜群のパワーに加え、一発の“引き出し”を増やすことで、心のライバルに負けないアーチ量産態勢に入る。