日本ハム大谷翔平投手(22)が17日、「94年会」の発足を希望した。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷でウエートトレーニングを中心に自主トレし、13日まで行われていた侍ジャパン強化試合の舞台裏で、異競技交流94年会がすでに行われていたことを明かした。今後、正式な会として拡大させていきたい意向だ。

 淡々としていた大谷が、無邪気な笑顔で切り出した。侍ジャパンの試合の後、リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介、同種目銅メダルの瀬戸大也との会食が実現していたのだという。萩野と瀬戸とすき焼き店へ。「そこが広島ファンのお店で(店主らから)誠也、誠也ってなっていたので…」と、翌日は鈴木も連れて萩野と3人で再訪。94年会発足への熱意が高まっていった。

 野球界にはドジャース前田、ヤンキース田中らの88年会などがあるが、異競技も含めた同期会は異例。食事中の話題は「普通の話」と中身を伏せたものの、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、世界を知る同年代から、貴重な刺激を受ける場になったようだ。

 幹事役はムードメーカーの鈴木に任せるつもりだ。強化試合中の宿舎では隣部屋。集合時間の確認などの用件がある度に、ドアをノックしていたという。「僕は世代の顔じゃない。誠也が顔です。僕はそういうタイプじゃないので」とニヤリ。大役に推薦した。

 「僕だけで決めることじゃない」としながらも、チャリティー活動実施にも意欲的だ。野球界だけでも阪神藤浪、創価大・田中、桜美林大・佐々木ら有望な選手がそろう。次代のトップランナーが集う「94年会」の本格始動へ-。大谷が、球場外でも存在感を示していく。【田中彩友美】

 ◆主な野球界の同期会 古くは梨田、真弓、中畑らの28会(ニッパチ会。昭和28年度=1953年度生まれ)がチャリティーゴルフコンペなどを開いていた。小宮山、渡辺久、山本昌、古田らの昭和40年会(1965年度生まれ)は、三浦、小笠原、中村紀ら昭和48年会(1973年度生まれ)とテレビ番組で対決。佐々木、桑田らの昭和42年会(1967年度生まれ)は野球教室などを開催。村田、杉内ら松坂世代は昭和55年会(1980年度生まれ)。田中、坂本、前田健ら88年会は、早生まれの選手が平成となることから西暦を採用している。