日本ハム大谷翔平投手(22)が、人類最速の称号獲得へ名乗りを上げた。26日、旭川市内で行われたプレミアムトークライブに登場。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第5戦で自身の日本最速を更新する165キロを計測した映像が流れ、司会者から球速の目標を聞かれた時だった。ファン約200人を、無邪気さ満点に盛り上げた。

 大谷 人類最速まで、あと4キロなので。一番速い球を投げられる人になってみたいです。

 人類最速の座は射程圏内にある。現在はチャプマンの169キロ。花巻東3年にアマチュア球界最速160キロを刻んだ大谷は、プロ2年目の球宴でプロ野球最速タイの162キロを記録。4年目の今季は163キロで頂点に立つと、164キロ、165キロと更新し続けた。CSでの日本最速更新について「あの日は、たまたまです。本当に球場の雰囲気とCSラストだったので」と謙遜するのは、自身の伸びしろを信じているからだろう。

 「二刀流」ならではの「投手・大谷」が「打者・大谷」をどう抑えるかという質問でも「真っすぐじゃないですか。バッターやっていて一番嫌なのは速い真っすぐ」と速球への信頼を口にした。13日に侍ジャパンの強化試合を終えてからはキャッチボールさえしていなかったが、この日の球団行事でひと区切りとし、週明けにも「右腕休息」を解除予定。今日27日に2軍施設がある鎌ケ谷に移動し、WBCで始動が早まる5年目の来季へ調整をスタートさせる。【田中彩友美】

 ◆球速メモ 大リーグで現行の球速計測システム「PitchF/X(ピッチエフエックス)」が導入された06年ポストシーズン以降では、チャプマンの105・1マイル(約169・1キロ)が最速として認定されている。チャプマンはレッズ時代の10年9月と、ヤンキースに所属していた今年7月に最速をマーク。11年4月には非公認ながら球場表示で106マイル(約170・6キロ)を出している。今季の大リーグでチャプマンの他に165キロ以上を計測したのは103・8マイル(約167キロ)のカブレラ(ブレーブス)だけ。