巨人が元楽天のケーシー・マギー内野手(34=タイガース)を獲得することが3日、分かった。合意に達しており、近日中に発表される見込み。13年には勝負強い5番打者として28本塁打を放ち、楽天を初の日本一に導いた立役者の1人。内野陣への重厚な補強で、課題とする打線強化の起爆剤にする。

 巨人が13年楽天のV戦士、マギーを補強した。今季三塁手は村田が打率3割2厘、25本塁打、81打点と堂々と張った。一方で来季37歳シーズンを迎える。将来の主軸候補、岡本も控えるが、年間を通した活躍は未知数だ。2年連続のV逸の最大要因となった打線強化も見据え、日本球界で抜群の実績を誇った助っ人に白羽の矢を立てた。

 マギーは13年、来日1年目ながら日本野球に順応し、28本塁打、93打点をマーク。翌14年にメジャー復帰し、同年は160試合、76打点でカムバック賞も獲得した。ここ2年はメジャー舞台では低調だったが、今季3Aでは116試合で打率3割1分7厘、6本塁打、50打点。長打力はやや欠けるものの、総合的に高い打撃力は健在で、巨人も積極的に獲得に動いた。

 助っ人勢の競争心をあおることもできる。来季2年契約最終年を迎えるクルーズ、残留が決まった24本塁打のギャレットもマギーの加入で安泰ではない。1軍4人までの外国人枠もあり、マイコラス、マシソンと投手陣にもサバイバルは波及する。安易には離脱できない緊張感を醸し出すことができる。

 マギーは一塁手も任せられ、来季は一塁専念の阿部も高水準の成績が求められる。誰かが控えにはじき出されても、今季は手薄だった代打の切り札になりうる。この日、イベントに参加の高橋監督は子供からの質問で期待する打者を聞かれ、名前には言及しなかったが「新外国人ですね」と話した。12年オフにも獲得に動いたが、楽天に奪われた。時を経て迎え入れる助っ人で肉厚な布陣を構え、覇権を奪い返す。

 ◆ケーシー・マギー 1982年10月12日生まれ、米サンタクルーズ出身。03年にドラフト10巡目でカブス入り。13年楽天に加入。全試合に出場して打率2割9分2厘、28本塁打、93打点で日本一に貢献した。14年からはマーリンズなどに所属。メジャー通算850試合、2割5分8厘、67本塁打、380打点。185センチ、99キロ。右投げ右打ち。