別府温泉、1(ワン)ダホー! ソフトバンク今宮健太内野手(25)が23日、4月の熊本・大分地震以降、客足が減っている故郷大分・別府市の積極PRを誓った。稲尾記念球場で野球教室を開催。「別府ONSENツーリズム大使」も務める若鷹は、試合での活躍やイベント出演で別府温泉の良さをアピールし、復興をサポートする意気込みだ。

 野球教室で別府に戻った今宮が、故郷復興のためにひと肌脱ぐ決意を明かした。「何年たっても被災地は被災地。やっていくことはまだたくさんある。別府の良さを伝えていきたい」。

 今宮は昨年「別府ONSENツーリズム大使」に就任。4月の震災後、別府を訪れる観光客の数が減っていることを聞くと、心配でならなかった。「別府の温泉は美白効果もあるし、体が温まる。疲れも取れる。すべてを兼ね備えた素晴らしい温泉なので、ぜひ足を運んでほしい」。来季のチームスローガンに引っかけ、「別府温泉 1(ワン)ダホー!」とPRした。

 4月の震災では市内の一部で断水し、一時休業を余儀なくされた宿泊施設もあった。風評被害の影響も受けて、観光客も減少。国が旅費の一部を負担する「九州ふっこう割」のお陰で、年末年始はほぼ例年並みの予約が入っているが、1月以降の予約は例年の約6割にとどまっているという。

 それだけに、長野恭紘別府市長(41)も今宮の宣伝効果に期待を寄せる。「別府市では大学や病院とも連係し、スポーツ選手にも温泉を使ってもらえるよう、準備を進めている。観光客の方にも来年以降、特別な需要ではなく、本当の観光をしてもらえるよう、これからも別府をPRして頂けるとうれしい」。市を挙げて、今宮応援団を結成だ。

 別府だけではない。今宮はこの日の野球教室で、市内の17チームに加え、県内で最も被害の大きかった隣の由布市からも2チームを初招待した。322人の子供たちにユニホームやメガホン、ボールをプレゼント。今宮サンタからの2日早いクリスマスプレゼントに、子どもたちは大喜びだ。

 来年以降は参加するソフトバンク選手の数を増やし、由布市でも野球教室を開催するプランも計画している。プロ野球選手として、故郷の大使として、そして1人の人間として。心からの復興支援を続けていく。【福岡吉央】