闘将がほえた! 楽天副会長にして、古巣・阪神への強い愛着を持ち続ける星野仙一元監督(69)が年末に大放談だ。来季、球界の展望、そして金本監督2年目の阪神へ、愛情たっぷりのカツを入れまくった。オフ企画「THEインタビュー」、今回はたっぷりと星野氏の一人語りでお届けします。【取材・構成=編集委員・高原寿夫】

 来季へ向かってこのオフの補強でいえば巨人は頑張ったぞ。巨人が強くなければ面白くないから。そういう意味でこのオフ、巨人の堤GMは頑張った。今の時代、お金を出せば取れるというものでもない。チームの雰囲気、優勝を目指す姿勢とか、そういうものを含めて選手に選ばれる。お金だけで移籍するヤツもいるけど、そういうのは長続きしない。

 来季の巨人は間違いなく優勝争いに絡むな。優勝候補の筆頭。広島もいい。鍛えられてきた選手ばかりだからおごりがない。ハンドメードのチームだ。ハンドメードは長持ちするぞ。今年みたいにラッキーなことは続かんかもしれんけど。優勝するときは不思議な勝ちがある。いかに、そういう場面を増やすかだね。それには一瞬の積み重ねしかないんだけど。

 例えば、ゴロを打ったからってトコトコ走ってたら相手がはじいたときに生きない。広島の選手は、相手のミスを「やるぞ、やるぞ」という気持ちでいるから何かあったときに「それ!」という瞬間が、コンマ何秒違う。それがわがタイガースにあるか、わが楽天にあるか、だ。楽天と阪神の日本シリーズが夢だけど、なかなか、かなわない(笑い)。

 阪神は糸井が03年の金本のようにいい働きをしてくれれば勢いが出るはず。1人代わればものすごく変わってくるからね。糸井2番説とかもあるみたいだけど3、4、5番はいるかな。クリーンアップがいれば2番に置けるけど。そこまでの余裕があるか。でも4番がいないのは仕方がない。4番目の打者でいい。(03年も)浜中で始まって桧山、八木もやった。八木なんていい仕事してくれた。そういう風に流れをどれだけ持ってくるか。それに「勝利の女神」に逆らわないことだね。ひたむきにやるしかないな。

 関西では阪神の監督になるのは総理になること以上に思われてるだろう。オレのときは監督経験があったからね。金本監督は今年が初年度。「超変革」といったけどまだまだ道半ばだ。「変革」してるけど「超」は足りない。今年はかなり眺めたんじゃないか。選手がどんな能力か、性格か、チーム愛があるか、野球にほれているか、とかね。そういうものを確かめた1年だったと思う。

 今季は出だしがよかったから「ひょっとしたら」という色気が出てしまったんじゃないか。チーム全体にね。若手中心だから、そこまでの持続力がなかったというところだろう。変革についてはファン、メディア、フロント含めてのこと。オレは「担当記者も戦力」と言ってきたけど、阪神は特にそうだ。金本監督はもっと、その意識を深めなきゃいけないな。(その2に続く)