メタボ注意で球速160キロを目指す。西武のドラフト2位、中塚駿太投手(22=白鴎大)が7日、埼玉・所沢市内の若獅子寮に入寮。身長191センチ、体重104キロの巨体でプロの第1歩を踏み出した。1年目のテーマは、前日6日に同学年の日本ハム大谷が記した1文字をまねた「無」。地に足をつけて、日本最速右腕の背中を追う。

 中塚は巨体をかがめて、うれしそうにマグカップを取り出した。ぽっちゃりした裸の上半身を模したデザインで腹部分には「メタボ注意」の文字。中学時代にもらった誕生日プレゼントで「この字を見て、食べ過ぎに気を付けようと思います」と白い歯をこぼした。

 プロ入りを見据えて105キロから3キロ減量したが、正月休みで104キロにリバウンド。「餅は年を越す前に食べちゃいました。年明けは焼き肉に行く機会が多くて、多分それだと思います。でも(体は)マグカップほどじゃないです」と、必死に弁明した。

 「あまり食べないですね」と言いながら、回転ずしで25皿をペロリと平らげる大食漢。9日からは新人合同自主トレが始まるが「渡辺SDから『やせたら魅力がない』と言われているんで、練習した分食べようかなと思う。105キロ以上いかなければ、いい感じですね」と、ドンと構えた。

 今年のテーマには約1分間考えた末、日本ハム大谷と同じ「無」を掲げた。「思い付かなかったので大谷君に頼っちゃいました。すごい選手なので、全部まねしていかないと。何も持っていない自分も表してますね」。ゼロからのスタートという決意も込めながら、目標は見定めている。現在の最速は157キロ。「自分の魅力はスピードボールしかないと思っている。160キロ投げたい気持ちはあります」と力を込めた。

 正月太りもご愛嬌(あいきょう)。「焦らずに体、技術、メンタルを鍛えてから、1軍で投げられれば」というマイペース宣言は体形同様、スケールの大きさを表しているのかも知れない?【佐竹実】

 ◆中塚駿太(なかつか・しゅんた)1994年(平6)12月26日生まれ、茨城県つくば市出身。つくば秀英-白鴎大を経て、ドラフト2位で西武に入団。高校時代に捕手から投手に転向。契約金7000万円、年俸1200万円で、背番号は22。右投げ右打ち。

 ◆現役の重量選手 楽天アマダー内野手は日本プロ野球史上最も重い135キロ。巨人ドラフト7位の廖任磊(リャオ・レンレイ)投手は、ドラフト指名選手の体重が明確になった66年(2次)以降、最重量の125キロ。中日新外国人投手のアラウホも125キロある。