投手リーダーは任せた! 阪神藤川球児投手(36)の1軍沖縄・宜野座キャンプスタートが濃厚であることが12日、分かった。実績十分のベテランだけに2軍高知・安芸キャンプでマイペース調整する可能性もあった。だが金本監督ら首脳陣は、類いまれなリーダーシップが1軍キャンプに欠かせないと判断。12年ぶりのV奪回へ、投手陣の引き締め役として期待がかかる。

 やはり存在感は別格だ。「超変革」を掲げて若返りを図るチームの中、投手陣のリーダーを務められるのは背番号22しかいない。藤川は17年も1軍沖縄キャンプからスタートを切ることになりそうだ。

 今季は37歳シーズン。誰もが認める実績の持ち主だけに、安芸の2軍キャンプでマイペース調整に専念させる手もあった。ただ、投手陣のリーダー格であった福原現2軍育成コーチが昨季限りで現役を引退。福留が主将を務める今季は投手キャプテンを置かないこともあり、金本監督ら首脳陣は藤川のリーダーシップが1軍キャンプに欠かせないと判断した。

 8日に行われた合同スタッフ会議の直後、金本監督は春季キャンプの1、2軍振り分けについて「まだこれから。あまりベテランが2軍に行っても、1軍で(チームを)締める人間がいなくなるから」と説明。会議では大まかなイメージが共有され、藤川は沖縄組に配置されたもようだ。振り分けの正式決定は1月下旬となる予定だが、背番号22が今春も宜野座の地に降り立っている可能性は高い。

 藤川の沖縄メンバー入りがもたらす効果は大きい。野球に取り組む姿勢を背中で見せるだけにとどまらず、説得力十分の言動でもチームを鼓舞できる貴重な存在。新守護神候補の来日1年目メンデスはレンジャーズ時代の同僚で、新助っ人のサポート役も買って出ることになりそうだ。

 阪神復帰1年目の昨季は先発で開幕ローテ入りしながら、本来の実力を発揮できないままリリーフに配置転換。43試合登板で5勝6敗、3セーブ10ホールド、防御率4・60の成績に納得できたはずがない。中継ぎ1本で臨む17年は原点回帰の意味も込め、背番号を18から22に戻した。「とにかくチームが優勝することだけが目標」と話していた藤川。若返りつつある投手陣の兄貴分としても、フル稼働に期待がかかる。