プレーバック日刊スポーツ! 過去の1月19日付紙面を振り返ります。2007年の1面(東京版)は早大・応武篤良監督が教育学部に内定した斎藤佑樹投手に対し、私生活をガードするため“4禁”を提案した様子を伝えています。

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 ハンカチ王子に“合コン禁止令”が下った。早大・応武篤良監督(48)が18日、教育学部に内定した斎藤佑樹投手(18)に対し、誘惑が多い私生活をガードするため“4禁”を提案した。「合コンをやるなとは言わないが、甘い誘いは危険なので自覚を持って行動してほしい」と話した。今後、酒、たばこは20歳からと法律遵守を徹底させ、際限がなくなるため「サイン禁止令」も出して、野球に集中できる環境を整えることになった。

 楽しいキャンパスライフを夢見ていた斎藤にとって、まさかの「合コン禁止令」が下った。応武監督は「注目されている選手だから私生活はそっとしてあげたい。先輩や同級生も斎藤を利用してコンパをするようなことがないように注意しないとね。彼は“王子”だから悪いイメージが出ないように、本人も自覚を持ってほしい」と、暗に自粛を促した。 人気者ゆえの規制だ。この日も一般ファン70人と、前日から30人上回る最多の観客が詰めかけた。斎藤の帰り際には女性ファンが駆け寄り、握手を求めるひと幕もあった。報道陣は11社25人と、相変わらず高い関心を示している。応武監督は「野球だけではなく、恋愛をしたりふつうの学生生活をさせたいのだが…」と苦悩している。

 しばしば大学生の新入生歓迎コンパでは、本人の意思に反して1年生に酒やたばこをのませることもある。万が一、斎藤がコンパに参加して、酒を飲まされている様子が写真週刊誌に撮られた場合、斎藤だけでなく大学側へのダメージも計り知れない。

 過去に日本ハム・ダルビッシュの喫煙や、最近ではオリックス前川の無免許運転など、野球選手のモラルが問われている今だからこそ、あえて厳しい注文を出したのだ。

 サインについても斎藤だけ禁止令が出た。1枚書くと何十枚も書くことになり、練習にも支障を来すため。最近、楽天田中のサイン入りボールがネットオークションに出回ったこともあり、被害を防ぐ意味でもサイン禁止となった。

 合コン、酒、たばこ、サインの“4禁”となった斎藤だが、トレードマークのハンカチはGOサインが出た。応武監督は「本人は上級生を気にしてハンカチを封印すると言ったのかもしれないが、僕はハンカチを使ってもいいと思いますよ」と理解を示した。夜ではなく昼のパフォーマンスなら問題はないようだ。

 斎藤はこの日、キャッチボール、室内でのフィールディング、ポール間ランニングなどで約3時間汗を流した。合流5日目となり「だんだん慣れてきました」と笑顔を見せた。今日19日は打撃練習も始める予定で、まずは野球漬けで斎藤を守る。

※記録と表記は当時のもの