アリゾナはお任せ! インディアンス3Aから入団した日本ハム村田透投手(31)が22日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で初めて練習を行った。春季キャンプは1軍の米アリゾナ州ピオリアでスタートする。米球界時代は同州に住んでいたこともあり、慣れ親しんだ土地。期間中はチームメートのガイド役も買って出て、打ち解けていく。

 鎌ケ谷のグラウンドに現れた村田は、積極的にチームに溶け込もうとしていた。ランニング後に「僕からロッカーで声を掛けさせてもらった。友達がいないので」と、自ら誘った有原を相手にキャッチボールで汗を流した。チームメートたちとは前日21日のイベントで初顔合わせしたばかり。「よくわからないまま終わった」と、慣れない環境に戸惑いながらの初練習も「始まったなと感じた」と、新天地でのスタートを実感していた。

 チームになじむために「地元通」を武器にする。米国ではキャンプ地と同じアリゾナ州のグッドイヤーで生活していた。ピオリアまでは「車で30分から1時間」という距離だが、球場は試合で足を運んでおり「だいたいわかる」と自信を持つ。行ったことのある飲食店なども複数あり「隠すつもりはない」と、聞かれれば喜んで紹介する。31歳右腕が若手中心のメンバーの心を、がっちりつかんでいく。

 7年ぶりの日本球界復帰に、早速少し困惑中。前日の初顔合わせでは後輩たちが自分のもとへ、続々とあいさつに訪れた。自らもあいさつに走った。上下関係と礼儀を重んじる日本のマナー。この日も「部屋に入る度にあいさつ。『お疲れさまでした』とか。アメリカでも『Yo!』くらいはあるけど…。これが日本かな」。感覚を取り戻そうとしているが自らを「ちょっと日本語がわかるやつ。ちょっとした外国人枠。レアードと一緒」と笑った。

 「チームに早くなじみたい」と、今後もキャンプ出発まで、多くの選手が自主トレする鎌ケ谷で練習を行う予定。「年も年。ごちゃごちゃ言える立場じゃない」と、やる気にみなぎる逆輸入右腕は、アリゾナからの再出発を、心待ちにしている。【保坂果那】