「いつも同じメンバーでやっても球筋は分かるでしょ。昨日はトリ(鳥谷)としたんだけど、どんな球を投げるか、お互い分かっている。トリとも話して、若い子とやることで分かることもある。どういう球の回転をしているかとかね」

 肩は強いか。シュート回転していないか。仲間が投げる球の特徴を知るのは大切だろう。特に失点を防ぐ中継プレーは間一髪のタイミングがモノを言う。外野手からの返球がそれるかもしれない。カットマンの内野手が察知してポジション取りしていれば、走者を刺せる可能性は高まるからだ。久慈内野守備走塁コーチも「内野なら内野同士や、二遊間を組む相手とキャッチボールすることが多い。いいことだよね」と話す。

 福留は中日でプロ入り後の3年間は遊撃や三塁など内野でプレー。外野の名手は内野手の気持ちも知る。だから小学生でもするキャッチボールに心を尽くす。日米19年目たるゆえんだろう。「常に新しいことをやろうと思ってるよ」とサラリ。クールを装う情熱こそ、ベテラン主将の深みだ。

 ◆酒井俊作(さかい・しゅんさく)1979年(昭54)、鹿児島県生まれの京都市育ち。早大大学院から03年に入社し、阪神担当で2度の優勝を見届ける。広島担当3年間をへて再び虎番へ。昨年11月から遊軍。今年でプロ野球取材15年目に入る。趣味は韓流ドラマ、温泉巡り。

 ◆ツイッターのアカウントは@shunsakai89