京大野球部が秀才ならではの長所を生かし、最下位脱出を目指す。春の関西学生野球リーグ戦に向けて京大が4日、京都市内のグラウンドで練習を行った。

 昨季は1勝も出来ず、32季連続の最下位。そこで立てた今季の目標は「勝ち点3」。例年は「最下位脱出」「まず勝ち点1」だったが、今季は目標を高く持った。中村侑介主将(3年=畝傍)は「『勝ち点3』を見ているからこそ、順位を上げていける」と意気込む。

 独特なトレーニングがある。アップ前、選手達は自分の顔の前に出した両手を凝視する。人さし指を立てて顔の上下に置き20秒、左右に置き20秒、前後に動かし20秒。顔の左右に、広げた両手を置き20秒…その動きはまるでブームになった「恋ダンス」? 練習前に必ず行われる「眼筋トレーニング」と呼ばれるもので青木孝守監督が約4年前に取り入れた。眼球をしっかり動かすことで目の力が鍛えられ、ボールをしっかり見られるようになる。

 「京大に入ってきた人は文字を読むのが早いはず」と膨大な文字を読む受験勉強の中でついた目の力を伸ばし、野球につなげようという青木監督の考えから生まれた。中村主将も「ボールが見えやすくなった。遠近感も分かって全ての動きにつながる」と効果も見えている。

 「東大はいつも『優勝』と言っている。いきなりは無理だけどまずはAクラス」と青木監督。高い所を見据えて、1つでもいい順位を目指す。【磯綾乃】