西武菊池雄星投手(25)が、プロゴルファー松山のメンタリティーにならい、真のエースに進化する。日本人歴代最多の米ツアー4勝目を挙げた松山とは同い年で、昨年11月に食事をする機会があった。「背中やお尻がすごく大きかった」と、ゴルファー離れした屈強な肉体にも注目したが、それ以上に「常に淡々と自分のペースを守っていた」ことが印象に残った。

 菊池 周囲が騒いでいても、常に淡々としていた。ゴルフでもそうなんだと思います。だからこそ、ああいう大きな試合でプレーオフになって、決めれば1億円というパットを迎えても、冷静ないつもの自分でいられるのだと思います。

 アスリートらしく、食事の席でも松山の勝負強さの秘訣(ひけつ)を見て取っていた。そして「そういうところは見習いたい」と言う。岸が楽天に移籍した今季は、2年連続の開幕投手が濃厚。投手陣の大黒柱として、大一番こそマウンドを任されることになる。

 勝ちたい。負けられない。そんな大事な場面でも硬くならず、いつもの自分を出せるようになりたい。エースとしての自覚が、プレーオフを制した松山から「学びたい」と思わせた。

 6日、西武キャンプを訪れた西本聖氏(60=日刊スポーツ評論家)も「去年あたりから無駄な力みがとれ、制球、キレがともに良くなった。ただ、ここぞの場面では熱くなって、力みがちな昔の彼が顔を出す。それさえなければ、確実に15勝できる」と断言した。勝負どころで「勝てる球」を投じるためにも、淡々とした松山の姿に自分を重ね合わせる。【塩畑大輔】