自身初の開幕マウンドを、さらにたぐり寄せた。日本ハム有原航平投手(24)が25日、今季初のオープン戦の阪神戦(名護)で先発し、2回1安打無失点に抑えた。今季自身初の対外試合で、紅白戦2戦合わせて通算6回で失点なし。この日、チームは被安打16の11失点で敗れたが、開幕投手の最有力右腕の安定した投球が光った。「対外試合は初めてだったので、結果ゼロに抑えられたのは良かったかなと思う」と、上々の感触だった。

 3年目の新たな武器にも手応えをつかんだ。1回1死走者なし、2番上本へのカウント1-1からの3球目。カーブを投じストライクを取った。19球中、試したのはたった1球だったが、この日最速149キロの速球とカットボールに加え、カーブで緩急をつけていくのが狙いで、精度アップに取り組んでいる。「キャッチャーと話して使っていきたい」と、今後も磨いていく。

 思い通りの準備を進めている。昨季は1年目に右肘痛の影響でシーズンを出遅れた分、オフに投げ込めずに迎えた。だが、今年は違う。「実戦でも去年より結果が出てる。状態はいい」と笑顔を見せる。栗山監督も「最も順調に来ている」と、頼もしく感じている様子だ。

 3月31日、札幌ドームの開幕マウンドに立つ投手は-。指揮官が「最後まで引っ張る。すぐに決めるつもりはない」と話す通り、争いは続く。「まずはケガをせず開幕を迎えることが一番」と有原。欲は出し過ぎず、静かにそのポジションへ狙いを定めている。【保坂果那】