「キャンプ完封」で開幕ローテーション入りに前進する。広島ドラフト3位の床田寛樹投手(21=中部学院大)が明日28日、韓国・サムスンとの練習試合でプロ初先発することになった。26日はブルペンで約50球を投球。ここまで実戦登板は6回を投げて無失点。キャンプ締めくくりとなる28日は3回を予定する。2月の実戦計9回無失点の“完封”を決め、先発枠入りをアピールする。

 初めて経験するプロのキャンプも終盤となり、新人床田にも落ち着きが出てきた。チームに同行したヤクルトとのオープン戦は雨天中止となった。床田は首脳陣が見守る前でブルペン投球。「気持ち良く投げようかなと思った」と約50球を振り返った。

 明日28日のサムスン戦は、4度目の実戦で初の先発マウンドになる。開幕ローテーション入りを目指す左腕にとって大きなチャンスとなるが、あくまで冷静に準備を進めた。

 「前回はボール先行になってしまった。立ち上がりが課題ですが、いいイメージを持って入りたい。僕も先発をできるというところを見せたい」

 実戦での好結果が、新人左腕に自信を与えている。2度の紅白戦で計4回無失点。初の対外試合登板となった24日ロッテ戦も2イニング、ゼロを並べた。ここまで実戦は6回を投げて無失点。3イニングを予定する明日も無失点に抑えれば、計9回無失点で“完封”となる。「ゼロでいきたい。むだなボール球をなくして、打たせて取る投球をしたい」。ここまで続けてきた無失点を途切れさせるわけにはいかない。

 広島の開幕ローテーション争いは激しさを増す。大瀬良が12日に右脇腹違和感で離脱。25日には福井が背中の張りで別メニュー調整となった。開幕ローテ有力候補の離脱に、緒方監督は「今いる選手にまたチャンスがまわってくる」と先発候補の奮起に期待する。

 確定はジョンソン、野村の2枚看板のみ。3番手以降は2年目の岡田、ヘーゲンズを筆頭に、今後も争いが続いていく。「完封一直線」の新人左腕も当然、候補の1人。「1軍に残りたいので、どこでも投げるつもりでいく。でも、本心は先発をやりたいと思っています」。キャンプの実戦をシャットアウトで締めくくり、首脳陣に強くアピールする。【前原淳】