15年10月に受けた股関節手術からの復活を目指す巨人杉内俊哉投手(36)が6日、川崎市のジャイアンツ球場のブルペンで85球を投げ込んだ。8日に同球場で行われる、2軍の教育リーグ楽天戦で今季初実戦登板が予定されている。待ち望んだマウンドに向けて、実戦さながらの熱投で汗を流した。

 気持ちは既に実戦モードだった。杉内は、意図的に3度の休憩を挟みながら、座った尾中ブルペン捕手のミットをめがけて存分に左腕を振った。打者役を務めた木村投手コーチの内角を突く直球に、コースを狙ったスライダー、チェンジアップ。「遊びで投げました」と習得中のシュートとカットボールも交えながら、初登板に向けたブルペンで大熱投を繰り広げた。「疲れたよ。もう若くないからね。投げて休んで、という繰り返しをやっておかないと」。休憩時間をイニング間のインターバルに見立てながら、体と感覚を実戦仕様に近づけた。

 8日は現時点で2~3イニングの登板が予定されている。手術直後だった昨年の同時期は、ボールを投げることすらかなわなかった。しかし今年は他の先発陣と同様に開幕ローテ入りを目指せる幸せがある。「今のところは順調に来ているので、ケガがなく終われればいいなと思います」。完全復活まであと少し。焦らず慎重に、1歩ずつ1軍公式戦のマウンドに近づいていく。