聖地初安打で大勝導いた! 阪神ドラフト1位の大山悠輔内野手(22=白鴎大)が7番DHで出場したヤクルト戦で、2回に一挙7点の口火を切る甲子園安打。2安打2四球の5打席4出塁で、14安打12点の大勝に貢献した。三塁を争うエリック・キャンベル内野手(29=メッツ)は負傷離脱中。16打席無安打地獄から目覚めたドラ1が、開幕スタメンにまた1歩前進だ。

 大山が猛攻の口火を切った。2回1死。カウント3ボール。1球は様子を見たくなる状況だ。だが、ドラ1ルーキーは果敢にも、ヤクルト先発村中が投じた高め直球を振りにいった。打球は中前に弾む。この安打が口火となり打線が爆発し、打者一巡で7得点。気温8度と冷え込んだ甲子園に、大山が熱気を与えた。

 大山 (ベンチ裏で)スイングしたり、軽く走ったり。打席に入っても初球からどんどん振れる準備はできていた。(打席では)打ちにいく中で見逃せてるので、すごくいい感じです。

 5回には一転、2ストライクとされてから外角変化球を逆らわずに右前打。聖地初先発でマルチ安打を決めた。これで実戦16打席無安打後、2月22日紅白戦の藤川撃ちでマークしたプロ初安打以降の打席は、打率5割2分6厘と絶好調。オープン戦打率5割も、堂々のチーム首位打者だ。

 打者一巡で回ってきた2回の第2打席と、6回の第4打席ではボール球を見極めて四球で出塁。「自分の中で一番良かったのは四球。次の人につなげられたのは良かった」と笑顔も出たトータル5打席4出塁で、14安打12点の大勝に貢献。打席では「バットを短く持ったり、2ストライクから考え方を変えたりするのも1つ。どんどんいいのを見つけたい」と工夫を忘れない。大山の非凡な対応力に指揮官も思わずうなった。

 金本監督 うまいこと対応していたね。追い込まれて右の方にポーンと落としたり。さすが思った通りの実戦向き。これで力強さやスピードが出たら。若いカウントはポンポン打ちにいっているけど、2ストライク後は、バッティングを変えて、考えているのが分かる。対応力に優れている。

 開幕三塁候補のキャンベルは左手首のけんしょう炎で2軍調整中。開幕戦に間に合わなければ、結果を残し続ける大山が代役筆頭候補になる勢いだ。金本監督も「打ち続ければ、去年の横田じゃないけど、使わざるを得なくなる」とニンマリ。日々成長を遂げる大学日本代表4番がいよいよ本領を発揮だ。【梶本長之】