復活の確かな1歩を刻んだ。楽天戸村健次投手(29)が7日、2軍の春季教育リーグ・ヤクルト戦に先発。約7カ月ぶりのまっさらなマウンドは心地よかった。「試合の入りとか思い出す部分があった」と1球1球をかみしめるように投げた。1、2回と味方の失策が続いて失点するが、慌てない。3回から最速145キロの直球をテンポよく投げ込み、5回まで無失点。昨年8月の右肘クリーニング手術後、初めての先発を5回5安打4失点で終えた。

 1軍ローテ入りを目指す。この日の球数は87。「半年ぶりに先発で約90球。ひとまず投げ切れたのが良かった」と右肘の状態は良好だ。1月に行ったマリナーズ岩隈との合同自主トレでは「岩隈さんもクリーニングした経験があるので、どんなケアをしたのか聞いた」と体験談を勉強。オフにはウエートトレで約5キロ体重を増やし、ケガ防止のための筋力をつけるなど復活への道のりを描いている。

 言葉がやる気となっている。1月から梨田監督が先発ローテ枠に戸村の名前を挙げるなど競争を期待。「本当にありがたいと思った。まだ競争させてもらえる立場なのかとモチベーションになった」と奮い立っている。開幕まであと1カ月。「3月末に万全で7、8回を投げられる体にする」と意気込んだ。【島根純】