若虎の成長著しい金本阪神が不安要素を露呈した。本格的にコンバートした二塁鳥谷、一塁原口に守備の乱れがあった。遊撃北條に左翼高山も拙守で、合計４失策。金本知憲監督（４８）も「４つか…。キャンプ中ならすぐに特守をやりたい」と顔をしかめた。攻撃力アップを見込めるだけに、開幕までに守備の向上が急務になった。

　開幕構想が見えてきた中で、金本阪神の課題が浮き彫りになった。４回だ。ロッテ・パラデスの打球が一、二塁間に転がる。捕球した鳥谷の送球は引っかかった形になり、一塁手の右側にそれた。原口は走者と交錯することを恐れた様子で、動きが硬く、捕れなかった。鳥谷に失策が記録される。久慈内野守備走塁コーチは「あれは原口の捕球ミス。やり始めだからね」と話した。５回には再び鳥谷が平凡なゴロに合わせられず、ファンブル。左翼高山は飛球に足を滑らせ、落球。遊撃北條もファンブルで合計４失策と守備が乱れた。

　守備の不安を露呈した試合だった。ここまで打撃面は若虎の成長が著しく、攻撃力アップは確実だ。その一方で、守備の向上が急務になった。春季キャンプでは各位置でポジション争いが展開され、最終日に今後の方向性が出た。鳥谷が二塁、原口が一塁の守備練習を本格的に開始したばかり。特に鳥谷は遊撃とは逆の動きになるため、不慣れだった。「投げる方向とか、ショートと違うので。２個目（の失策）はバウンドを合わせられた」と振り返った。

　金本監督は春季キャンプの総括で、内外野の守備を課題に挙げていた。さらにコンバート組もいる。「４つか。キャンプ中ならすぐに特守をやりたい。甲子園だから、できないけど…。（鳥谷は）たくさんノックを受けてほしい。セカンドのゲッツーとか。全く逆だからね」と指揮官は言った。昨年の失策はリーグワーストの９７個。キャンプでは早朝の特守など守備強化に励んできた。課題克服は、道半ばだ。シーズンでは４失策すれば、致命傷になりかねない。開幕まで残り３週間あまり。限りある時間の中で、仕上げていくしかない。【田口真一郎】