阪神梅野が開幕マスクに前進した。オープン戦に4戦連続で先発出場。青柳と松田をリードし、5回まで1安打無失点。6回から小宮山に譲ったが、安定感を見せている。「投手有利のカウントにできるように、常に考えている。投手がこうしたかった、とか要望は聞くようにしている」。バッテリー間の意思疎通に重きを置き、奮闘中だ。

 梅野の姿勢を評価したのが矢野作戦兼バッテリーコーチだ。「投手ががんばっているのが大前提だが積極的に何かをやりたいのが見える。マウンドに行くとか、間の取り方とか。配球はまだまだだが、自分でどうしたいか、捕手と投手で一致しないといけない。そういうのが出てきた」。打つだけがアピールではない。投手に対する気配りの行動を見逃さなかった。

 キャンプが終わり、ライバルだった原口が一塁に本格コンバート。正捕手候補には岡崎や坂本も控えるが、打力のある梅野は最有力の位置にいる。矢野コーチは「まだまだ勝負や」と競争意識をあおる。それでも、梅野の「変化」は確実に首脳陣に伝わっている。

 長年の懸案事項だった正捕手育成が実現するか。梅野にとっては4年目の大きなチャンスだ。