ソフトバンク上林誠知外野手(21)が、開幕1番候補に名乗りを上げた。巨人戦(長崎)に1番右翼で出場。二塁打を含む3安打2盗塁を決め、打って走って猛アピールだ。

 8回先頭では代わったばかりの巨人廖任磊(リャオ・レンレイ)投手(23=開南大)の初球を投手前にセーフティーバントを決めた。201メートル、125キロの巨体を見て「(フィールディングが)苦手そうな感じ」と直感。投安にすると続く今宮の初球に二盗を成功させ、わずか2球で無死二塁のチャンスをつくった。

 工藤監督も「状況判断ができている。打つだけじゃないところを見せてくれた」と高評価した。3回にはゴロで右中間へはじき返し、一気に二塁まで進んだ。6回も左安&二盗に成功。試合前まで2割だった打率も3割3分3厘に上げた。

 外野は柳田、中村晃が当確。残りを右足首に不安が残る長谷川、右の代打もできる吉村らと争う。真砂と釜元はここまで打率1割台と苦しんでいる。残りのオープン戦10試合は、同じく俊足の左打者福田が最大のライバルになりそうだ。

 期待された昨年はこの時期に脱落した。「悔しい1年」の経験があるからこそ、同じ失敗はしない。「足があるのでスピード感で勝負したい。もうすぐ振り分けがある」。17日からはウエスタン・リーグが開幕。それに合わせて一気にふるい落としも始まる。必死に生き残って初の開幕1軍、そして開幕1番のスタメンも勝ち取る。【石橋隆雄】