4番中谷もある! 阪神金本知憲監督(48)が21日、試行錯誤する開幕後の打順について注目発言した。4番は福留と原口が有力候補だったが、オープン戦5試合を残して開幕に向かうこの時点で、7年目24歳の中谷将大外野手を加えた。左右ジグザグを意識した打線全体のバランスや、原口の状態次第で、第98代4番にオープン戦打点王の中谷が収まる可能性もありそうだ。

 「誰が、ですか?」。新大阪駅から博多行き新幹線に乗り込む直前、中谷は新たな4番候補の誕生を伝え聞いて、事態をのみ込めずに聞き返した。「本当ですか?」。本人も簡単には信じられないほどの、ウルトラCプランだった。

 金本監督 中谷もあるかもしれない。左、右のバランスで。

 指揮官が開幕後の4番候補について中谷の名前も付け加えたのだ。有力候補は福留、原口の2人で変わらない。ただ、打線全体のバランスや2人の現状を考えると、一筋縄ではいかない。金本監督は先発オーダーについて「まだまだ」とした上で、試行錯誤する点の説明を始めた。

 金本監督 1、2番と4、5番。左が並ぶか。原口が本調子じゃないし、(福留)孝介もそう。難しい。

 前日20日のロッテ戦は1番上本から2番高山、3番糸井、4番福留と並んだ。左打者が3人続くと、理想とするジグザグ打線のイメージから遠のく。一方、右の4番候補原口はオープン戦打率2割1分7厘と調子が上がりきらない。そこで急浮上したのが4番一塁中谷プランだ。

 金本監督 原口がダメなら中谷でいくしかない。分からんよ、まだ。去年の数字は目安になるけど。(中谷は)ずっといいからね。

 中谷はオープン戦打率3割で得点圏打率3割5分7厘。長打率5割2分と13打点は12球団でトップだ。今もっともホットな男だけに、原口の状態次第では、左腕ジョンソンの登板が確実な開幕広島戦で、阪神第98代の4番打者が誕生する可能性もゼロとは言い切れない。

 中谷 (4番構想は)驚きです。やる気になります。頑張らないといけない。(13打点は)人に勝つことはいいことだと思うけど、シーズンに入ってからチームに貢献していきたい。

 上本、高山、北條による1、2番争いだけではない。開幕まで残り10日を切り、4番争いからも目が離せない。【佐井陽介】