石巻専修大(宮城)が、土壇場の逆転劇で東日本国際大を6-5で下し13季ぶり6度目の優勝に弾みをつけた。1-5で迎えた9回に赤間知文(4年=盛岡大付)の3点適時二塁打などで逆転。優勝候補同士の対決を制して5勝1敗、単独首位に立った。

 最後まであきらめない気持ちが、赤間のバットに乗り移った。9回表2死満塁、狙い球が甘いコースにはいるのを見逃さなかった。「ベンチの誰もがあきらめていなかった」とフルスイング。打球が中堅手の頭上を抜けると二塁ベース上で右腕を突き上げた。適時失策で勝ち越しのホームを踏むと出迎えたナインと歓喜の抱擁を交わした。

 「4点差になっても負ける気がしなかった。チャンスをつぶしていたので打ちたかった」。7残塁と相手先発の高木寿(3年=鹿島学園)を攻略しきれずにいた。酒井健志監督(39)は「打ちあぐねていたけど4点差をひっくり返すことはなかなかない。選手の勝ちたいという思いが攻める気持ちにつながったと思う」とあきらめなかったナインをたたえた。

 次週は地元の石巻市民球場で日大工学部を迎え撃つ。赤間は「優勝? 1回は経験したいけど気負うことなく戦っていきたい」と次戦へ向け、切り替えていた。【下田雄一】