ミラクル劇勝や! オリックスの今季初サヨナラ勝ちは、西武の失策によって生まれた。2-2の9回2死二塁で、代打小谷野は三塁へボテボテのゴロ。「やらかしたな…」。ところが36歳の全力疾走が幸運を呼ぶ。三塁中村が一塁へ悪送球(記録は内野安打と失策)。駿太が小躍りしながらホームを駆け抜けた。

 「栄一の執念でしょうね」とは福良監督の第一声。疲労度を考慮して先発から外したチーム最年長が、思わぬ形で白星を運んできた。3連勝で貯金は最多8。対西武の開幕5連勝は阪急時代の80年の6連勝以来、37年ぶりとなった。

 野村克也氏はかつて「勝ちに不思議の勝ちあり」と言ったが、この1勝は不思議ではない。7回2失点の松葉ら、最小限に食い止めた投手陣の踏ん張りも大きい。福良監督も「松葉、黒木、平野…。3人とも良く投げた」とたたえた。

 首位楽天に1・5差。小谷野は「1点差で勝てたのは大きい。もっと打って投手を楽にしたいけどね」。指揮官は「選手も何とかなると思ってやっている。こういう試合を続けていけばチームとして成長できる」と続けた。投打がかみ合うオリックス。勢いという言葉だけでは片付けられない。【大池和幸】

 ▼オリックスが西武戦でシーズン初戦から5連勝したのは、前身の阪急時代80年に6連勝して以来、37年ぶり。今季20試合を消化して14勝6敗。シーズン20試合時点で14勝以上は、89年の14勝5敗1分け以来、28年ぶり6度目。なお最多勝利は15勝で、39年と78年の2度(いずれも5敗)。