先輩・後輩の熾烈(しれつ)な打点王争いが、西武に今季3度目の4連勝をもたらした。

 まずは5回1死一、二塁。3番浅村が初球外角115キロをたたきつけ左前に転がした。二塁走者の秋山を本塁に招き入れ、この時点でリーグ単独トップの打点33をマーク。相手の悪送球を誘い二、三塁とすると、すぐさま4番中村も負けじとカーブを右前へ運んだ。2点適時打でこちらは34打点目だ。

 中村は「最悪でも犠飛でいい。正直打撃の感じは良くない」と言った。安打でなくても点は入る。その状況で中軸に回せることが現打線の強みであり、次打者の力みを軽減する。先陣を切るのはともに3割打者の秋山とルーキー源田。開幕5戦目の4月5日から不動の1、2番だ。4試合連続打点の浅村は「チャンスで回してくれる。いい形でつなげて良かった」と感謝した。

 結果的に1死からの4連打と打線がつながり、ロッテの先発チェンをKO。この回の3得点で逃げ切った。打点リーグ1位、2位をひた走る大阪桐蔭OBコンビ。片方が活躍すると片方は打たない試合も多く、辻監督は「あいつら、両方とも遠慮するから」と笑い飛ばすが、この日は後輩から先輩への完璧なリレーだった。刺激し合って、チームも個人も高めていく。【鎌田良美】