ソフトバンクのリリーフ陣が、サファテの穴を全員で埋める決意をにじませた。守護神は家族の事情で一時帰国し、22日に出場選手登録を抹消された。そんな非常時にブルペンは一致団結。若手の手本となり、チームを支えている37歳の五十嵐亮太投手も力こぶ。今季早くも4勝をあげている「勝利を呼ぶ無敗男」が、今季にかける思いを明かした。

 チーム最年長の五十嵐が、例年以上に幅広い仕事ぶりで今季のブルペンを支えている。ここまで20試合に登板し、4勝4ホールド、防御率1・42。イニングまたぎから三振が取りたい場面でのワンポイントまで起用は幅広く、リード、同点、ビハインドと、登板する場面もさまざまだ。

 「仕事の幅がここ数年より広がっている。精神的には負担はかかるが、いい刺激。この年でこういう経験ができるのもプラスだと思いながらやっている」

 昨年は負傷もあり満足いく成績を残せず「今年は去年の分も働く」という強い思いで開幕を迎えた。そして日米通算800試合登板、日本通算150ホールドの記録も達成。昨オフにメキシコのウインターリーグで先発を経験し対応力も増したという。

 「メキシコで先発で勝ちがつく喜びを経験し、勝ち星は先発についてほしいと、より思うようになった。4勝は本当にたまたまで、数字は全く気にしていない。ただ、球種にフォークを加えたことで投球の幅が広がった。日本は対戦が多いからデータが洗いざらいになり、対応されると思うので、後半戦はカーブ、カットボールを生かしたい。配球を変える面白さ、駆け引きも楽しみですね」

 今日23日ロッテ戦から8試合はサファテを欠く中での戦いとなる。

 「1人1人やることは変わらない。どんな状況でも対応できるブルペン陣というのが僕の中での理想。今年は岩崎、森が切磋琢磨(せっさたくま)しているし、今の自分たちの状況にやりがいを感じている。それがブルペンの面白さでもあるし、皆でカバーしていきたい」

 プロ20年目のベテランが、強固なブルペン陣を支えている。【福岡吉央】