「大和2世」で逆襲!! 阪神江越大賀外野手(24)がスイッチヒッターに挑戦することが17日、明らかになった。プロ3年目の今季は28試合出場にとどまり、打率7分7厘、1軍でわずか1安打。打撃再生のほか、強肩と俊足を生かしたい金本知憲監督(49)から打診され、この日の高知・安芸秋季キャンプから本格的に開始した。

 夕暮れが迫る安芸のメイン球場で、右打者の江越が左打ちのロングティー打撃を繰り返した。柵越えも数本。安芸ドームに場所を移しても90分、左打席で打ち続けた。

 数日前、金本監督が江越と向き合い「このオフ、チャレンジしてみろ」と後押しした。指揮官は「いいスイングをしている。左のほうがバランスがいい。彼もいいモノが出てくればいいと思う。あの守備力と足は使いたいね」と挑戦させた意図を説明。帰り際も一心不乱に打ち込む江越を見て「ええやんか!」と声をはずませた。今年2月、沖縄・宜野座キャンプ中にも、江越との会話で「左打ち」を勧めていたという。

 昨オフから両打ちに挑戦し、今季、好成績を収めた大和の成功例もある。皮肉にも、お手本の大和はFA宣言し、DeNAやオリックスとの争奪戦になっている。江越の身体能力はチームでトップ級。打撃の復調がかなえば、持ち味の強肩や俊足も生かせる。江越は「難しいですけど、可能性が広がるなら挑戦したい」と気合を込めた。昨季、4試合連続アーチを放ったスラッガーが新境地に挑む。【酒井俊作】

 ◆阪神主なスイッチヒッター プロ12年目の今季から両打ちとなった大和は、右投手相手に打率2割7分6厘と結果を残した。高卒3年目内野手の植田海も、50メートル5秒8の俊足を生かすため16年から挑戦している。かつては、大野久が80年代後半に好リードオフマンとして活躍。他球団からの移籍選手に多く、加藤博一(前クラウン)、高橋慶彦(前ロッテ)、松永浩美(前オリックス)らがいた。