巨人は先発吉川光の初回の投球がすべてだった。先頭の田中に外角直球を左翼席に運ばれた。失投ではなかったが、出はなをくじかれた左腕は迷走する。制球が定まらず四球を重ね、新井に甘めの内角スライダーで今季1号3ランを食らった。さらに8番美間に2死二塁から適時打。1回表終了の15分間でいきなり5点を失った。

 村田ヘッドコーチは「5点目が雑。カウントも1ストライク。なぜ(ストライクゾーン内の)直球なのか。小林も経験ある捕手なのだから」と、9番岡田との勝負も視野に入れられる状況での5失点目を断じた。4回にも田中に2本目の1発を食らい、今季最短の3回0/3、8失点KO。雨天の一戦も言い訳にはできず、高橋監督は「1点でも少なく抑えてもらわないといけない」と反省を求めた。今季初めての対広島カード勝ち越しをかけた一戦は、早々に霧散した。ゲーム差は再び4・5に。コイの尻尾が見えてこない。