プロ16年目にして、新天地に1歩踏み入れた。

西武内海哲也投手(36)が23日、自主トレを公開した。

慣れ親しんだジャイアンツ球場から離れた西武第2球場。場所も仲間も変わったが、オフに枯れ芝の上でやることは同じ。「いまさら変えて悪い方向に行くのは怖い。やっていたことは変わらず、15年プロでやってきた経験を16年目に生かしたい」。培った経験と知識は、自然と行動に表れる。

午前7時に自宅を出た。1時間以上かけ、到着は練習開始の2時間以上も前だった。あまりに早い“ジャイアンツタイム”に驚く西武の選手たち。そうやって積み上げてきた324試合登板133勝101敗。15年分の努力が血となり肉となり染みついている。30人以上の報道陣が集まる中、「チームのみんなに認めてもらえるように努めていきたい。人間関係も築いていけるようにする」。グラウンドの外まで気を配る。

移籍により史上18人目の快挙が見えている。古巣の巨人に勝てば全12球団勝利。この日、交流戦詳細日程が発表され、6月11日から3連戦で巨人を新本拠地・メットライフで迎える。「できればいい。でも目の前の試合をしっかり、100%とは言わず80%でも発揮するのが僕の仕事。その延長でジャイアンツに勝てればいい」。常に100の力を出す難しさを知るからこそ言う。

同じ境遇で新天地に渡った広島長野が、偶然にも同じ日に入団会見を行った。「本当にナイスガイ。新天地でも活躍すると思う。キャンプ地が(宮崎で)近いので、1回会ってご飯にいきたい。(会見と公開の日程が)重なったので、どっちが取り上げられるか心配です」と軽妙なジョークも展開。頼もしいフレッシュなベテランが、パ・リーグ王者に加わった。【栗田成芳】