ロッテは2年連続2位となり、来季は大願成就が視界に入る。現役で在籍最長の角中勝也外野手(34)はチームをどう見るか。

首位打者経験2度のバットマンは、独特の立ち位置で一体感を醸成してきた。そのベテランが熱く口にする「優勝へ、常勝軍団へ、チームに必要なこと」とは? ファンおなじみの角中節を拝聴しつつ、ロッテ愛に潜入した。【取材・金子真仁】

サヨナラ勝ちで、角中の動きを追うと面白い。10月15日のソフトバンク戦。岡のサヨナラ弾での歓喜の輪に、真顔で出遅れた。

「益田に仕返ししようとして探してたら、出遅れちゃったんですよ」

不意打ちされたことがあったそう。今度こそ。同23日はサヨナラ打のヒーロー荻野に少しだけ水をかけ、残り大半はVS益田に注力。荻野の輪の傍らで、2人で水合戦を繰り広げた。

「基本、ふざけてるんで。普段もテレビならピーーーの話ばっかりです、いっつも。昔は、猫かぶってたんですけどね」

1軍が怖かった。並みいる先輩たちのオーラにおじけづいた。「2軍の方が心地よかったくらいで」。実績を積み、27歳くらいに落ち着く居場所になった。

試合前は円陣の最前列、特等席にいる。「誰か面白いこと言わんかな~って」。声出しにツッコミを入れる、そんな若手との時間が楽しい。角中節は時に本質を直球で突く。だから辛口も多いけれど、ロッテが大好きだ。「けっこう前、球団に20年契約してもらおうとたくらんだこともあります。ダメでしたけどね」。

今の夢は1つだけ。

「15年、おかげさまで個人タイトルも取れて、今更どこかへ行こうなんて思わないんで、本当にあと優勝だけなんです」

井口監督や鳥越2軍監督の指導で「凡事徹底」の空気が定着し、勝利への一体感が強まってきた。あとは何が必要なのか。

「この先、本当にロッテが常勝軍団になるためには…本気で怒れる選手を募集、って感じです。そう、書いといてください」

上下関係がいい意味でなくなってきたのは歓迎だ。ただ「今は必要な時に引き締める人がいない」と感じる。「怒れる人の条件は…ある程度の実績、ヒット1500本くらいは欲しいかな」と添えた。

「優しいオギさん(荻野)はそういう柄じゃないし。自分はふざけちゃうし、1200本手前だし」

球団から船頭役を求められているのは自覚する。「今年は1カ月くらいしか仕事してないんで」と巻き返しを誓う。打撃もリーダーシップも、深いカウントからが角中の真骨頂だ。

○…角中の座右の銘は「適当」だ。「テキトー、じゃないですよ。漢字で適当です。適した場所に当てはまる、ってことです」。

◆角中勝也(かくなか・かつや)1987年5月25日、石川県生まれ。日本航空二から四国IL・高知を経て、06年大学社会人ドラフト7位で入団。12年と16年に首位打者を獲得。2ストライク以降だけ低く構える独特な打法で通算1187安打。右投げ左打ち。

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