横浜DeNAは9日、元巨人の中畑清氏(57)の初代監督就任を発表した。中畑新監督の所信表明は以下の通り。

 みなさん、こんにちは。今日は、これほどたくさんの方々にお集まりいただきまして本当にありがとうございます。単に私の人気かなと思います。うれしいです。自分の夢、目標というものが、ずっとありました。現役を辞め、もう1度球界への恩返しをできるのであれば、最高のポジションで勝負をしてみたいという目標は、ずっと持ち続けていました。

 いろいろな仲間、または全国に講演に行く度に、もう現役を辞めて20年以上が経ちますが、その中でよく言ってました。「必ず現場に戻りますから」と。「ぜひ、その節には、よろしくお願いします」と、必ず講演先で営業してきました。それが初めて、こうして新生DeNAベイスターズという本当に新しい球団で、チャンスをもらえるような、強い星の下に生まれたのかと思うぐらい、身震いするぐらいの気持ちでいます。

 横浜ベイスターズ時代、私が思い出すのは、現役最後の優勝が、この球場でした。そのときに代打で二塁打を打たせてもらって、セカンドにヘッドスライディングで、それも右翼線のヒットだったので、余裕で間に合うタイミングでありながらも、猛烈なヘッドスライディングで1人浮いていました。その後で、ガッツポーズして、ベンチを見たときに、みんなが大笑いしているんです。仲間が「中畑らしいな」って感じですね。その後に、スタジアムで初めてウエーブが起こったんです。ガッツポーズをしながら自然と「ウォー」という歓声が鳴り立ちながら、最後の最後までウエーブが1周し、それが2周目に入っていくんです。「うそだろ」と思いました。それを見ながら鳥肌が立った記憶があります。

 やっぱり球場というのは熱だと思います。熱がないところに感動も喜びも生まれないと思います。そして悔しさも涙も出ないと思います。スポーツの原点、野球の原点は、そういったものが一番、望まれていると思っています。いただいたチャンスを最大限、自分の持っている、何を持っているか、何が出せるかというのは本当に未知数です。このチームを預かって、みなさんに喜んでもらえる。そして、負けたときに「あぁ、しょーがねーな。また明日応援に来ようや」と言ってもらえるような、そんなチームを、そんな選手をつくっていきたいと思っています。

 どうか、みなさん。みなさんのマスコミの力が私は一番大事だと思っています。みなさんの力を貸してください。最高の野球、原ジャイアンツと戦いたいと思います。よろしくお願いします。