球団担当として楽天にかかわったわけではないが、球界再編当時の担当記者として、この優勝は感慨深い。04年、近鉄とオリックスの合併で球界再編問題が起こった。プロ野球関連で会議があれば、各連盟の入るビルが記者であふれ、関係者を囲んでパニック状態となる。そんな騒ぎの中で生まれた球団だった。

 当時、堀江貴文氏が率いるライブドアと新規参入をめぐって”対決“。双方のヒアリングなどを経て、オーナー会議で楽天の参入が承認された。その後、近鉄とオリックスの選手を「オリックス・バファローズ」と「楽天」に振り分ける分配ドラフトが行われた。「振り分け」の資料がプロ野球の会議終了後に配られたが、その紙を得ようと記者が走り、つかみ、混乱する様は、後にも、先にも見たことがなかった。

 NPB関係者らが宮城球場(Kスタ宮城)を視察に訪れたが、同行した時は「ここで本当にプロ野球が出来るのか」と感じた。だがその後、改築して美しく生まれ変わった球場を目の当たりにし、感動したものだ。

 05年にはロッテ担当記者として、対戦相手だった楽天の記念すべき「初戦」を見届けた。開幕戦は岩隈が完投し、見事に3-1で勝利。だが2戦目、ロッテ渡辺俊に1安打に抑えられ、当時売り出し中の西岡の活躍もあり、0-26という記録的大敗を喫した。

 様々な混乱の中で誕生した新チームが、ついにパ・リーグを制した。日本シリーズを戦う姿も見てみたいと思う。【栗原弘明】