日本学生野球協会は18日、東京都内で理事会を開き、学生野球資格を回復する研修制度を全会一致で承認した。プロ野球経験者が高校での2年以上の教諭歴がなくても、短期間の座学研修だけで高校、大学の指導者になれるため、大幅な門戸開放となった。新制度は7月1日に施行される。

 受講者数は当初、1000人を提示したプロ側と、100人程度を想定したアマ側で大きな隔たりがあったが、400人で決着した。研修はプロ側の日本野球機構(NPB)と日本学生野球協会の2段階で行われ、元プロはプロ、アマの順番で受講する。今冬はそれぞれ4回実施される。プロ側は7月28日、学生側は12月13、14日に最初の研修があり、適性審査を受けて年内にも新制度での第1号指導者が誕生する。教員ではないものの特例などで既に大学で指導している元プロ監督らも受講対象となった。

 1月に日本高校野球連盟など学生側がNPBに、研修を受ければ資格を認める条件緩和案を提示。研修内容などについてプロ、アマチュア合同会議などで検討を進めた。

 1961年にプロ側が社会人選手を一方的に引き抜いた「柳川事件」をきっかけにプロ、アマの関係が悪化した。日本高野連の奥島孝康会長は記者会見で「プロ側の行動で(アマ側が)かたくなに対応するようになった歴史がある。もう一度オープンにするのは、そういうことが起こらないのが前提だ」と話した。