<オープン戦:ロッテ2-1オリックス>◇4日◇京セラドーム

 ロッテのスピードスターが帰ってきた。この日1軍に上がったばかりの西岡が3打数3安打の猛打賞で完全復活。試合後は「テンション、マックスです!」と珍しく興奮気味に話した。

 2月14日の紅白戦で左太もも裏に違和感を訴え、15日から別メニュー、21日から2軍で調整を続けていた。「ケガでチームを離れて迷惑をかけた。今日は誰よりもハッスルして、誰よりもいい成績を残さないといけないと思っていた」。

 その信念が集中力を生んだ。初回先頭で、オリックスのエース平野の初球140キロ外角直球をとらえた。打球はワンバウンドで平野を直撃する強襲安打となり、オープン戦初打席初安打をマーク。これで勢いに乗ると2、3打席目もコンパクトなスイングで中前へはじき返した。出塁後はエンドランできっちり三塁まで陥れ、足の不安もぬぐい去ってみせた。「結果を出して大丈夫だと思ってもらいたかった」と胸を張った。

 今キャンプ初日にはバレンタイン監督から「もっと積極的に取り組むように」とカツを入れられた。その時は「僕は僕で開幕に合わせていますから」とかわしたが、その矢先のケガに「自己管理不足と言われてもおかしくない」と責任を痛感していた。この日グラウンドで出した結果が、攻守の要としての西岡の自覚の表れだった。【鳥谷越直子】