<オープン戦:巨人1-5広島>◇4日◇広島

 巨人阿部慎之助捕手(28)が28日のヤクルトとの開幕戦(神宮)出場がピンチとなった。4日、広島とのオープン戦(広島)の5回、本塁上で喜田と激突した際に左すねを負傷。当初は病院には行かない方針だったが、次の遠征先の名古屋に移動後、深夜に名古屋市内の病院で緊急検査を受けた。診断は「重度の打撲」のようで全治は不明。日本一奪回をテーマにスタートを切ろうとしていた矢先のケガで、原巨人が苦しいスタートを強いられそうだ。

 阿部は重傷だった。5日未明、左すねをギブスで固定し松葉つえをつきながらタクシーを降り、宿舎に戻ってきた。「骨は大丈夫でした。少し休むことになりそうです」と、サバサバした表情を浮かべた。当初は病院に行く予定はなかったが、広島から遠征先の名古屋へ移動し、名古屋市内の病院で診察を受けて午前0時半までかかった。同行した川島チーフトレーナーは阿部の左足のくつと診察結果の入った封筒を手に「ノーコメントです」と言って足早に部屋へ戻った。

 診断は「重度の打撲」とみられ、全治は不明。それでもギプスが外れるまで約2週間はかかり、しばらくは安静が必要な様子。28日の開幕に間に合うかは微妙な状況となってしまった。アクシデントはこの日の広島戦の5回だった。阿部は顔をゆがめてうずくまった。タッチアップした三塁走者の広島喜田と本塁上で交錯。喜田の左ひざがブロックした左すねに激突した。カツンと大きな音が球場に響いたほどだった。

 阿部はしばらくうずくまった後、両脇を抱えられてベンチへ退き途中交代。ベンチ裏でアイシング処置を施し様子を見ていた。球場を去る際には「バットでなぐられたみたいだった。明日の試合?

 ちょっと無理でしょう。乗っかられた感じ」と足を引きずりながらバスに乗り込んでいた。

 原監督も球場を出る際には「打撲程度。(5日の中日戦の)出場は様子を見て」と説明したが、広島駅で阿部のことを聞かれた時には少し心配そうな表情も見せていた。深夜の診察の結果から5日の中日戦(ナゴヤドーム)を欠場するだけでなく、7日からの札幌、大阪遠征は帯同しないことになりそうだ。仮に開幕に間に合ったとしても、ぶっつけ本番で試合勘がどこまで戻るかは分からず、チームは苦しいスタートを強いられそうだ。

 阿部の不在は捕手としてだけでなく、キャプテンとしての存在もあっただけに痛い。2月のキャンプでも率先して若手に声をかけるなど、チームを盛り上げてきた。選手会長の二岡が左ひざ手術でリハビリのためチームに帯同していないこともあり、すべてにおいて阿部が中心だった。現在小笠原、二岡らがリハビリ調整中。さらに李は北京五輪最終予選のためチームを離れている状況。阿部の離脱で危機感が増してきた。