<オープン戦:阪神0-3ロッテ>◇9日◇スカイマーク

 岡田監督「開幕は安藤」思わず漏らした!?

 3・28開幕投手最有力の安藤優也投手(30)が9日、ロッテ戦(スカイ)に先発した。4回を無四球無失点。許した走者はボテボテの内野安打2本のみという、事実上の「パーフェクト」投球で、練習試合、紅白戦からの実戦無失点記録を10イニングに更新した。岡田監督は「一番の安定感」と公言、完ぺきな仕上がりを披露した。

 試合後の岡田監督は上機嫌だった。「安藤」の名前を聞くや開口一番、こう言った。「おお、安藤なあ、一番安定しているというかな…」。次の瞬間「シマった!」という表情を浮かべ、言葉を飲み込んだ。「まあ他のピッチャーはまだ投げてないけどな」。必死に煙に巻こうとしたが間に合わなかった。

 前回3日のソフトバンク戦でオープン戦初登板。その際も3回2安打無失点と、ほぼ完ぺきだったが、岡田監督は不機嫌そうに言った。「開幕?

 そんなん全然分からへんよ。(決定は)15日以降と言ってるやんか」。だが、この日は明らかに表情が違っていた。

 ハイレベルな開幕ローテ争いに期待し、自ら率先して「横一線」と位置づけてきた。しかし2度目の登板に思わず口元がゆるんだ。自らの前言を撤回し、1週間前倒しで「開幕投手」をにおわせてしまうだけの内容を、安藤が残した。

 初回、早川にボテボテの三塁前内野安打を許したのが唯一のピンチ。今江を遊飛。続く左打席に入った西岡には、カウント2ー3から胸元を攻めた。左の強打者が並ぶ巨人対策として、テーマにする内角ストレートで三邪飛に。その後もフルカウントにする場面は計4度あったが、いずれも最後は際どいところに攻め込み、凡打の山を築いた。

 実戦4試合で10イニングを投げ、防御率0・00は、文句のつけようがない。安藤は自身初の開幕投手について聞かれると、苦笑まじりに言った。

 「ライバルは多いんでね。1年間の目標の一つとして、そんなに意識せずにやっていきます。あと2試合ですか、普通に投げられればいいかな」

 今後、オープン戦は同一リーグとの戦いに突入するが、もう隠すまでもない。5、6回メドの登板を2度挟み3月28日の横浜戦(京セラドーム大阪)へ。大事なマウンドは、オフ返上で投げ込みを続けてきた右腕にハッキリ託された。【片山善弘】