<オープン戦:中日3-3ソフトバンク>◇10日◇岐阜

 中日にFA加入した和田一浩外野手(35)が10日、故郷・岐阜で初タイムリーを放った。10日、ソフトバンク戦で初めてオープン戦フル出場し、初回の左翼線二塁打で初打点をマーク。9回にも中前打を放ち、初のマルチ安打も記録した。打率は2割9分4厘までアップ。08年版中日打線の「5番レフト」として存在感を示した。

 凱旋(がいせん)試合を派手に飾った。和田は初回2死一、三塁、カウント2-1からホールトンの135キロ高め直球をたたいた。痛烈なライナーが三塁手松田の頭上を抜けた。先制適時二塁打。オープン戦初タイムリー、初打点、初長打をマークした。9回の第4打席には中前打も放ち初マルチ安打も記録。「5番左翼」で初めてフル出場も果たし「初ものづくし」の地元お披露目となった。

 「だいぶバットを振れるようになってきた。打撃は悪くないと思う。(フル出場は)たくさん出場して試合勘をつかむという意味でいいことです」。

 岐阜・長良川球場での試合は、西武時代の04年3月12日巨人とのオープン戦以来4年ぶりとなる。前日9日夜は、県岐阜商野球部時代の同級生と食事にでかけた。「思ったよりも懐かしくなかったですね。ちょこちょこ帰っていたから。でも(長良川球場で)試合をやったことはほとんど記憶にないんです」。プロでは99年3月6日の中日とのオープン戦に捕手として出場し、入団1年目の松坂(現レッドソックス)の“プロ初勝利”を演出したことがある。「ここではあまり打ってない」と話したが、思い出の球場だった。

 「5番和田」がはまってきた。シーズンでは4番ウッズは勝負を避けられる傾向にあり、5番は中日にとってキーとなる打順だ。打てばウッズが勝負されることにもなるため、勝負強さが不可欠となる。高代野手総合チーフコーチは和田について「打線につながりが出てうれしい」と話した。

 和田はオープン戦で結果を求めない考えだが、打率も2割9分4厘にアップ。今日11日からの西武2連戦は休養するが、順調に進めていた調整がステップアップしたのは間違いない。「バッティングはぼちぼちだと思う」。あこがれだった中日のユニホーム姿で故郷に錦を飾り、シーズンモードに近づいていく。【益田一弘】