昨季限りで引退したロッテ黒木知宏氏(34)が最後のマウンドで完全燃焼した。15日の楽天戦後に引退セレモニーが行われ、現役時代をほうふつとさせる最速138キロの直球とカーブ、フォークを織り交ぜて、サブローを空振り三振、楽天礒部を三ゴロ、福浦を空振り三振に仕留めた。本来なら今季使うはずだった真新しい赤いグラブをポンとたたいて“ゲームセット”。前日からの徹夜組1000人を含めた2万8926人が集結した満員のスタンドに深々と頭を下げた。

 ジョニーコールが鳴りやまない熱いファンへ「本当にありがとうございました。マリンのマウンドが大好きでした。13年間、本当に幸せでした」と時折、涙ぐみながらあいさつした。今後は野球解説と同時に「ジョニープロジェクト」を立ち上げ、子供たちにカラーボールを使った「手打ち野球」を指導するなど野球の原点を教える活動を行う予定だ。