<オープン戦:広島5-1オリックス>◇15日◇福山

 緊急事態。オリックスの開幕ローテーションが白紙に戻った。広島とのオープン戦(福山)が行われた15日、テリー・コリンズ監督(58)はトム・デイビー投手(34)が右肩の炎症を起こしていることを明かした。右ひじ痛の平野、背中の張りを訴えた岸田に続き、先発5人中、3人がリタイア。さらに、この日6イニングを予定していた先発の中山も4回5失点でテスト不合格。20日に西武との開幕戦(西武ドーム)を控え、開幕投手の金子以外は、先発がいなくなってしまった。

 コリンズ監督は怒りを通り越し、あきれかえっていた。3回裏に中山が押し出し四球を与えた直後、自らマウンドに向かった。激励したものの、直後の打者への初球が、押し出し死球となった。中山について「内容もコントロールも良くなかった。(先発起用かは)今週決めます」と声を落としていた。開幕2戦目(22日、対西武)を任せるはずだった左腕の乱調に、苦悩は増した。

 中山だけではない。試合前には「岸田が背中を痛めている。先発を1回は飛ばさないとならない。平野も右ひじをやって2回以上飛ばさなければならない」と、開幕ローテーションが白紙となったことを明かした。さらに「デイビーが肩の炎症を起こしている。希望的観測では(開幕から)出てほしいが、もしかしたら1回飛ばさなければならない」と、苦渋の表情で故障者を並べた。

 春季キャンプ中から開幕投手の金子を始め、平野、岸田、デイビーは先発当確だった。この4人は1軍のオープン戦ではなく、教育リーグで調整登板させ、他の若手投手陣の力量を見定めようとしていた。ところが「特別扱い」の4人中、3人が故障してしまった。

 金子以外の先発候補について、コリンズ監督は「高木、近藤、光原」の名前を挙げた。金子-中山-岸田-平野-デイビーの順で回すはずのローテは、金子-高木-近藤-川越-光原と変更される可能性がある。昨季最下位から浮上を目指す今季は、荒波が打ち付ける開幕となる。【今井貴久】