日本ハム梨田昌孝監督(54)が、「脱いてまえ」の新スタイルでの開幕ダッシュを誓った。開幕前日の19日、札幌ドームでの直前練習後に記者会見。「(野球は)ドラマと違って筋書きがないので(展開は)分からないが、コマを1つずつ進めていく感じでホームまでいきたい」。昨季を踏襲する、小技を駆使した手堅い戦術をベースにすることを明かした。

 20日からの本拠地開幕2カードの6試合が試金石になる。故障離脱したジョーンズ、ルーキー中田と大砲候補が相次ぎ開幕構想から外れた。昨季はシーズン73本塁打と長打力不足が顕著だったが、補い切れないまま本番に突入する。「(チーム本塁打が)3ケタとか言ってきたけれど…。だいたい方向性は分かってきた」。近鉄監督時代は大味なイメージはあるが、実は手堅い。5年間でいずれもシーズン100犠打以上をマークした手腕を、日本ハムでさらに生かす。

 この6試合は変則日程のため、エースのダルビッシュを2試合に先発させての2勝は計算。最悪でも勝ち越しに必要なあと2勝は、接戦勝負でもぎ取りにいく。キャンプ中から朝食はほぼ納豆と生野菜。ユニホームを着こなすために、炭水化物を控える徹底した食事改善で約4キロのダイエットに成功した。そんな体形と同じくスリムな打線を、どう機能させるのか。新天地にも「完ぺきになじんでいる」と自信のタクトで、北海道へ球春を運ぶ。【高山通史】