<巨人3-4広島>◇30日◇東京ドーム

 亀井の2発が吹き飛んでしまった。巨人は勝ちゲームを失った。伊原ヘッドコーチは「今日は亀井をヒーローにさせてやりたかった。だれがどうこうというのではなく、情けないの一語に尽きる」と悔しがった。それほど亀井の働きは衝撃的だった。7回、この日2本目となる逆転弾を放つと、東京ドーム全体から亀井コールが沸いた。しかし、そのムードを勝利につなげることはできなかった。

 ここまで防御率0・00だった山口と門倉が失点し、終盤の支配力を失った。8回1死三塁の勝ち越しのチャンスで三振に倒れた阿部は「ぼくが全部チャンスをつぶした。最低でも犠飛?

 そうだね。情けないね、自分が」と自らを責めた。毎年4月には強かった阿部にはつらい1カ月。なんとかしなければという責任感に、余計苦しめられ、悪循環に陥った格好だ。チームとしても波に乗れず、この日は5回も得点圏に走者を進めながら1本が出ない展開。4月の戦いぶりを象徴するようなモヤモヤ感を残した。

 原監督は記者会見の席に着くと、帽子を脱ぎ「今日は僕の一言で終わらせてもらいたいね」とゆっくり切り出した。開幕戦からを振り返るようにしながら「4月の最後に、いい形で5月へと思ったけど、4月を象徴するようなゲームになってしまった。まだまだ課題が多い。明日から反面的な部分でしっかり戦うということでいきます」と5月反攻を誓っていた。【竹内智信】