<ヤクルト0-5巨人>◇3日◇神宮

 ヤクルト村中が巨人を9回1死までノーヒットに抑える快投を見せたが、最後に力尽きて今季3敗目を喫した。9回、1死から亀井へ投じた14球目の直球が真ん中へ甘く入り、右翼フェンスを直撃する二塁打となった。村中は初安打を許した1球に「しょうがないです」と言葉少なだった。

 2死二塁から小笠原を敬遠し、代打大道と勝負した。だが右中間へ2点適時二塁打を浴び、無念の降板となった。高田監督は「小笠原が当たってないといっても…。9回は何とか村中で乗り切りたいと思っていたから」と悔やんだ。

 初回は147キロも計時した直球が、9回には130キロ後半まで落ちた。村中は「疲れは全然関係ないです。無安打も意識していなかったし、先に点を取られたくない思いだけだった」と振り返った。スライダーやフォークなどを丁寧に投げ分け、ほぼ完ぺきな内容だった。大記録達成はならなかったが、マウンドを降りる左腕には大きな拍手が送られた。

 打線は、8回に相手失策などから2死三塁の好機を迎えながら、あと1本が出なかった。好投の村中を見殺しにし、9連戦の初戦で痛い黒星。高田監督は「村中はあれだけ抑えてくれたら。こちらの責任」と肩を落とした。【松本俊】