<楽天4-8ソフトバンク>◇6日◇Kスタ宮城

 ソフトバンク大隣憲司投手(23)が4月2日の日本ハム戦以来、約1カ月ぶりとなる3勝目で成長の足跡をしるした。「勝つには勝ちましたけど、負けてもおかしくない内容でした」と大隣も苦笑いを浮かべた白星。初回に2四球と3安打で3失点。1番から9番まで右打者を並べた楽天打線に、右打者用の変化球、チェンジアップが決まらない。「腕が前に出ないで、球が抜けていた。でも低めにフォークが決まってたし、粘りの投球ができました」。3回無死二塁から4番山崎武をスライダーで見逃し、フェルナンデスはフォークで空振り三振に仕留めた。

 2回以降は降板する7回まで1死球、と初回の制球難は影を潜めた。体から遠回りしていた左腕の振りを杉本投手コーチに指摘され、マウンド上で修正。「打たれていたし、課題があって負けていた」。前回登板の4月30日の西武戦は7回途中、4被弾で4失点。技術的、精神的に試合途中に立ち直れなかった。杉本投手コーチも「序盤は悪かったけど、途中からフォームを修正してうまくいった」と一定の評価を与えた。これで勝ち星は久米、和田、大場と並ぶチームトップタイ。「今度はきっちりした投球で抑えたい」。白星からも黒星からも、大隣が学ぶことはある。【中村泰三】