<中日2-4オリックス>◇28日◇ナゴヤドーム

 日本球界8年目になれば、やるべきことは熟知している。8号2ランを含む3打点で勝利に貢献したカブレラは「(コリンズ前監督辞任に)動揺はなかった。大石監督代行には良くしてもらっているし、大きな勝利を贈ることができた。7年間、日本人監督のもとでやってきたし、気分的にはやりやすい」と言い切った。

 初回の1打席目には内角直球に手が出ず、見逃し三振を喫した。判定に不満を見せたが偶然にバットが球審に当たると謝罪のポーズ。3回の2打席目には「前の打席で内角を攻められていたので、外寄りを待っていた」と読み通りの1発。ベテラン左腕の投球術を、日本での経験値が打ち砕いた。

 5月9日以来の1発だ。「前はボールに飛び付いていたけど、ベース上の球を待ってストライクにバットが出るようになった。『カブレラ』が戻ってきた」と自己分析した。試合前練習ではアップの足を止めて、ウッズの打撃練習を見守った。復調のヒントを探っていた。

 大石監督代行は自身が指揮しての2勝目に「汗かいた。しんどいですね、1つ勝つのは」とホッとした表情。ローズ、カブレラ、ラロッカを「ビッグ・ボーイズ」と名付けた指揮官は去ったがカブレラの長打力はよみがえってきた。【今井貴久】