<中日1-5オリックス>29日◇ナゴヤドーム

 中日の貧打ぶりが際立ってきた。ウッズを来日6年目で初の3番、和田を今季初の4番に据える新打線が機能せず、6安打1点止まり。交流戦8試合の平均得点は1・75まで落ち込んだ。大方の予想を裏切って先発した朝倉も2回0/3を今季最悪5失点で4敗目を喫し、出場選手登録抹消が決まった。オリックスに連敗したチームは、リーグ優勝に向け踏ん張りどころの交流戦で黒星が2つ先行。首位阪神とのゲーム差は、今季最大の5・5に開いた。

 会見場に現れた落合監督は冗舌だった。大石監督代行が率いるオリックスに連敗。「相手は体制が代わって(選手が)どうやって自分を表現しようかとやっている。それを受けて立ったらやられる」と口にした。

 “禁断”の打順変更も実らなかった。この日は落合政権下で初めてウッズを3番で起用。ウッズが4番以外を打つのは、横浜時代の03年4月27日巨人戦(5番)以来1859日ぶり。指揮官は「(3番が)いないんだもん。つなげようと思ったらこれが1番いいだろ」と説明した。だが、これが機能しない。ウッズは得点圏に走者を置いた2度の好機も含め4打数ノーヒット。初めて4番に据えた和田の2安打も得点につながらない。初対決オルティズのスライダーに手を焼き、反撃は2回に小田の犠飛による1点だった。

 これで交流戦は3勝5敗。8試合で14得点と1試合平均わずか1・75点しかとれていない。首位阪神とのゲーム差は今季最大の「5・5」に広がった。中日には、交流戦初年度の05年に15勝21敗と負け越してV逸したイヤな過去がある。これ以上阪神に離されないためにも、打線の奮起は不可欠だ。

 落合監督は試合後に珍しく力説した。「答えは簡単だと思う。投手に(9回を)27球でパーフェクトをされてもいいと思って、打てるボールを早めに打つ勇気を持つ。今のウチは、凡打だったらどうしようという考えがじゃましている。突き破るのは(選手)本人しかいない」。言葉には、危機感がにじんでいた。【益田一弘】