<阪神8-1楽天>◇18日◇甲子園

 交流戦の「ラッキーボーイ」が、楽天打線にスキを見せなかった。2点差に迫られた3回、2死一、三塁。長打のある山崎武との対決だった。1発を浴びれば、逆転を許す場面。それでも阪神上園は冷静になり、大胆に攻めた。内角高めに球を集めて、踏み込めさせない。最後は外角に伸びのある速球を投げた。空を切らせ、序盤のピンチをしのいだ。

 上園

 甲子園は広いけどレフト方向に風が吹いていた。多少(本塁打を)意識しました。内角を投げないと打ち取れないですから。

 序盤に3点の援護を得て強気になれた。新人王に輝いた昨季のような、躍動感のある投球フォームを取り戻しつつある。6回までに7奪三振。久保チーフ投手コーチは「相手打者が探りに行っているからスイングスピードも出ない。球が動いているから当てるのは難しいよ」と説明する。6イニング1失点にまとめ、無傷の今季3勝目をマークした。

 昨季は交流戦で台頭し、先発ローテーションの一角を担った。楽天戦はプロ初勝利を挙げた相性のいいチームだ。今月4日の今季初勝利も、野村監督の前でマークしている。登板前はイメージトレーニングを欠かさない。テレビ画面で見つめ、自らの投球シーンを脳裏に焼きつける。「イメージだけは持って」。周到な準備も、昨季から続く楽天戦3連勝に結びついた。

 開幕を2軍で迎えたものの、いまや欠かせない存在だ。チームの先発投手に白星がつくのは11日西武戦で自身が2勝目を挙げて以来のこと。14日からのロッテ2連戦ではアッチソン、プロ初登板初先発の鶴が乱調で序盤からつまずいていた。先発が踏ん張る日常に戻り、指揮官も胸をなでおろす。

 岡田監督

 このところ、先発の失点が多かったけど昨日(17日楽天戦先発)の下柳からリズムができた。(上園に)「初回から飛ばしていけ」と言っていた。

 春季キャンプから、威力のある速球を追求するあまり、投球全体のリズムを崩した。だが苦境も乗り越えた。「2軍で結果が出なくても使っていただいている。それに応えたい気持ちがすごくある。いい方向に向かってきています」。2年目のジンクスを打ち破るべく、上園が乗ってきた。【酒井俊作】