<中日7-1広島>◇22日◇ナゴヤドーム

 中日先発チェン投手(23)がチームの3連勝を導いた。前回16日巨人戦(札幌ドーム)では力で押す投球で6回1死まで完全に抑えたが、この日は球威不足を変化球でカバー。6回3安打1失点で4勝目を挙げた。「味方に点が入って安心になりました」。ナゴヤドームで初めてのお立ち台で、ぎこちない日本語を披露した。

 何が何でも抑えたかった。1点ビハインドの3回無死二塁の守備。投前バントを処理した際、一塁ベースカバー荒木への送球が右へそれた。体を張ってアウトにした荒木は打者走者との接触で右ひざを痛めた。責任を感じた。「大丈夫ですか、大丈夫ですかと聞きました」。その後も走・攻・守でもり立ててくれたチームメートの思いにこたえたかった。

 21日に23歳になったばかり。恐るべきペースで成長を続けている。左ひじ手術の影響で昨年は育成選手だったが、今季は開幕からフル回転。中継ぎとして連日投げたことで試合の流れがわかるようになった。球速は最速152キロにアップ。スライダーもキレを増し、悪いなりに抑える術も身につけた。この日は3回1死一塁の打席で、苦手なバントも成功。登録は左打ちだが「ボールがよく見えるから」と、高校時代以来の右打席でころがした。

 防御率を2・17まで下げた。規定投球回に達していないが、リーグ1位の同僚川上の2・31をしのぐ数字だ。台湾代表として北京五輪に出場することが決まっており、日本の強敵になるのは間違いないが、それまではチームために勝ち星を重ねる。【村野

 森】