来年3月に行われる第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に関し、第1回(06年)の日本代表監督であるソフトバンク王貞治監督(68)がアドバイザー役を要請されたことが20日、分かった。

 この日に福岡ヤフードームを視察した日本プロ野球組織(NPB)の加藤良三コミッショナー(67)は王監督と約5分間にわたり会談。だが今回は表敬訪問で、同コミッショナーは「王監督とは別途、ご意見を拝聴する機会がありました」とWBCの監督人事をはじめとする球界の諸問題について会談を行っていたことを明らかにした。今後についても「必要に応じて相談をさせていただくこともあろうと思います」と話した。

 会談は早期に行われていた。9月1日の実行委員会で監督人事の中心的な役割を任された加藤コミッショナーは、すぐさま札幌に飛んだ。ソフトバンクが2日から行っていた対日本ハム3連戦の合間を縫って王監督と会談を持つためだった。王監督自身は就任を固辞する姿勢で一貫しており、20日も「要請?

 それはありません。皆さんに話している考え方に変わりはないから」と話した。そのためNPB側としては、現場に帯同する監督は無理でも、日本人大リーガーの招へいなどさまざまな形での協力を願い出ることとした。

 第1回WBCで王監督が指揮を執った際は、当時の根来コミッショナーがソフトバンクの孫正義オーナーに会い、お墨付きを得て就任に至った。同様の手続きがクリアされれば、王監督が日本代表へ協力することに支障はないとみられる。肩書の有無は未定だが、あるとすれば「相談役」や「総監督」などが考えられる。巨人渡辺会長も推した王監督の代表監督就任はきわめて難しくなったが、形を変えてジャパンの一員となることになりそうだ。